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少年社中DROP🥚感想③

続き!

 

スフィアとの電話で驚いたのは「ネットゲーム」という単語。たしかにスマホを持ってるから現代の話なのは分かってるんだけど、なんか雰囲気的にそんな近代的なワードが出てくるとは思わなくてびっくりした。

初見はオービットとスフィアだけ小説でも現代でも名前一緒なのなんでだろ?って思ってたけどスフィアはハンドルネームだからまあ一致はしてない、って感じなんでしょうか。

「あんなひどい事件があって……」辺りの考察はこちら少年社中 第38回公演「DROP」考察まとめ - log(仮)

「今度の人は優しくしてくれる?」って離婚を切り出したオービットのことをひどいやつだとスフィアに愚痴とか言ってたのかな。オービットと共通の友人なら話も通じやすいだろうしね。

 

ここで小説家が取り乱したあと水色の照明が客席にバッと向けられるんだけど直後のシーンが水とGo_dmanから逃げるオービットたちだから場面転換を水の表現でやってたんだろうなと思う。すごい。そしてここ、Go_dmanはナイフで斬られても平気だし力強いし最強な感じだったけど頭使うと結構簡単に死んでしまうんだな…と思った。でも水には弱い…これ悪魔の実の能力者の可能性あるぞ(ないぞ)。

そういえば物理攻撃には強いのはBadmanもだよね。Hではオービットから奪った銃で自身の頭に弾撃ち込んでたけど何もなかったし…これDではやってなかったのでDでもちょっと見たかった。

 

あとGo_dman片付けさせたあとボウルがオービットが殴るとこなんだけどHの方が殴る速度も速くて回数多いように感じたけど頭の振り方の問題かな?Hの方が激しく見えた。

この行動があるまではボウルって障害を持っているか幼いってだけのキャラだったから驚いたし、その前フリからの暴力性が一層に狂気的に見えてすごいなって思った。Hは特にちょっと怯えてる感じで控えめな表現だったから余計。Dは序盤からわりとパワー系だった気がする。

 

また小説家と編集者の場面に変わってスフィアの電話のとこなんだけどチアキ?ああ。聞いてたけど」ってスフィアの反応からネットで知り合った友人にも話すくらいには近い関係だったってことだよね。電話を切った後に編集者が小説家に言ってる「娘を失って傷ついてるあんたを捨てて逃げた。それからあんたを支えたのは私なのよ!」の期間に上の方で書いたようにスフィアにオービットを愚痴を言う中で編集者の話もしてたんだろうかと思う。

「あんたも私を受け入れてくれた。でも、やっぱりあの男が忘れられないっていうから」って編集者の台詞で小説家を殺害しようした動機は分かったんだけど、ここで思ったことが一つあって…「あんたも私を受け入れてくれた」ならオービットを殺したら自分のものになるって思わなかったのかな。刑事も平気で殺す人がここで小説家を殺そうってなるのがちょっと不思議。

 

「私を拒否するなら。あんたに生きてる理由なんてない」って言ってナイフを持って襲いかかった時に

「安心してこれはタダのおしおき」って台詞をH編集者は言ってなかったからHでは本気で小説家を殺そうとしてたってこと?かな?台詞を言ってたDではおしおき程度な感じでここでもちょっとした違いを感じた。

 

そしてDROPを語るなら絶対書きたいことの一つは小説家の頭が作り出した迷宮(ここいまいち分からんけど)を表す照明の綺麗さ!ピンク?紫?っぽい感じの色で球体が回ってたように見えたからこういうミラーボールなのかな?Amazonの奥地で見つけた。二つ目みたいな感じで細い線を複数の箇所で下から出してたからすごく幻想的な雰囲気だった。

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この中でリング、ビーズ、スフィア、ボウルが小説家の動きに合わせて最初一人ずつ動くんだけど、後退りして振り返るとかも鏡合わせに動いててすごかった。そのあとは小説家を中心に全員が合わせ鏡みたいに囲って並ぶんだけどもそれも異様な感じで、ここの場面とかで全部女王の頭の中の物語だったって考察してる方も多いのかなって思った。

あとは編集者の「私はあんたなの」「私とあなたは繋がってるんだから」とかで二重人格説も濃くなる場面…でも私は「あんたの男の代わりに側にいたのは私よ」からスフィアも編集者も知ってるし実在人物説をおします…!

 

そしてそして小説家の母を殺したのは編集者、なのにお母さんを殺した」のはボウルなんだろう?生まれ変わったらお母さんがいるのもよく分からん。というか今書いてて思ったけどボウルは二人に全然関係なく単にネグレクトの母親を殺した子供っていうキャラ設定で、編集者は小説家の母を殺した自分にボウルを重ねてるだけって感じかも。途中でレコーダーを持っているのが編集者なのは小説家が話している結末を改変させるために口を出してるとか。

このあとボウルの自殺シーンはHも良いんだけどDのありそさんの狂い方がすごすぎてめちゃくちゃ引き込まれたしちょっと怖かった。でもまた見たいってなる魅力のあるお芝居。

 

ボウルに殴られて気絶してたオービットが再び現れるとこ、ふみこさんがツイートしてたのはこのシーンのことかな?って思った。それか最初のBadman出てくる辺りか。

 

オービットと女王が迷宮に外に出る条件について言い合ってるとこはみおさんもえりさんも本当に迫力あるお芝居で怒りに変わりつつある愛でオービットに縋る様子がすごかった。違う違うそうじゃないだけは私の中の鈴木雅之が歌ってたけど。

「約束したでしょ。わたしを外に連れて行ってくれるって」って現実のオービットが以前に言ってくれてた言葉で、だから「もう一度だけ助けて」になるのかな。ただそれでも卵をHでは叩き割ろうとしたりDでは踏み潰そうとしたりと冷たく女王を突き放すオービットは小説家の中で自分を置き去りにしたひどい男のオービット像ってことかなと…。

去っていったオービットと入れ替わりでBadmanが出てきて「女王」って話しかけるんだけどHは「女ぉおお王!!」みたいな感じでめちゃくちゃ力強く呼ぶけどDはめっちゃ優しく控えめに声をかけててびっくりした。そのあとの台詞もH「これからどうされるおつもりですか?」とD「これからどうされるのですか?」って感じだった…よね!?もしかしたら台詞一緒だけど話し方でこういう風に捉えてしまってるって可能性あるな…。迷宮に鍵をかけて死ぬと言われたあともHは憤りを感じてる表情で大きく足音を立てて去るけど、Dは女王にかしずいて卵を受け取り静かに去るっていう一連がもう全然違った。燈くんの所作綺麗すぎんか?Badmanに様つけたくなるもんな…。

 

小説の結末を話した後に死人が編集者と相討ちになりつつ銃で撃ち殺すわけだけど、私の考察する中でここだけファンタジーなんだよね…なので比喩表現ってことでいいか?(CV.なのっくす)。守護霊が守ってくれたみたいな…本当は小説家の手で殺してるかもしれないけど娘が守ってくれたという感じの比喩。絶命する娘を抱きしめて涙を流すここ本当2回目から泣いた…1回目は全てが衝撃的すぎて感情移入できなかったんだ…。

 

そしてラストシーン。

目覚めた小説家の側にスフィアから話を聞いた現実のオービットが現れるけどHの「そばにいてあげられなくて、ごめん」はほんとに声が優しいんだよね…。問題の「もう大丈夫だ。全部、終わった。全部、終わったんだ」は編集者が亡くなったからなんだろうか。とは思いつつもスフィアは電話切られたし頭のおかしい女が一緒にいる的なことをオービットに言ってて状況を知り、おそらく小説家を監禁してた編集者が亡くなったことも知ったから終わったってことかな?

 

ここで私が一番好きな場面・台詞になるんですけど

 

「全部忘れて……二人で思い出したい」

「二人で、もう一度はじめよう。やりなおすんだ」

 

二人で”が最高すぎてもう何も言えんのよ(大の字)。

俺が支えるとかじゃなくて「一緒に乗り越えてくれ」っていう同じ立場で言ってくれてるのがすごいグッときた。この作品がしきりに言っている「明日」は生きていく希望のようなものなんじゃないかって思ったのはやっぱりこのシーンが大きいなぁ。

オービットは小説の中では最後まで冷酷だけど現実ではこうやって関係を修復しようとしていて、小説家にとってもこの作品にとっても唯一の光……照明の効果もあるかもだけど暗がりに光が差し込むような感覚がした。

 

最後の最後、幕が閉じる直前も微妙に演出が違った。

H:オービットが持っていた卵を小説家と手を重ねて大事そうに温める

D:スローモーションでお互いに手を伸ばして手を繋ぐ

Hは卵持ってる!?なんで!?ってなるけど愛を温め直すって比喩表現でいいか?(2回目)

 

このあとすぐ暗転して幕は閉じるんだけど…これ驚くことに1時間半での出来事なんですよね。めちゃくちゃ濃いので逆に2時間半とかあったらしんどい。なんというかコロナ禍だからこそのこの作品という毛利さんの意図を考えたら余計に胸に響くものがあるなと思う。卵を踏み潰すのを止めた女王も、どうしようもないことが起きてもやけになるなよってメッセージなのかな。

 

とりあえず…いろいろ分からない点とかもあるしめちゃくちゃな解釈なのでお前何言ってんだと思うこともきっと書いているのですが個人の感想だって受け流してもらえたら幸いです。ただ初日から2週間ちょっと、千秋楽から1週間も経つのにぐるぐると迷宮に居続けられるほどに面白い作品だったなっていうことは事実。きっと円盤が届いたらまた新しい発見だとか推しのここ好きが増えるんだろうなって思うとすごく楽しみ。

 

感想終わり!!!!!